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働き方扶養内or扶養外、パート薬剤師が得する働き方は?メリットを徹底解説

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女性薬剤師さんがパートとして働くとなったとき、大半の方が「扶養の範囲内で」と考えるのではないかと思います。しかし、「扶養内」とはどういう働き方なのか、本当にメリットのある働き方なのか、ちゃんと理解している方は意外に少ないのではないでしょうか?
「扶養内の方が得って聞くし...」と何となく扶養内で求人を探している方がいたら、ちょっと待ってください!薬剤師がパートで働く場合、扶養内勤務を選んでしまうと逆に損をしてしまうことがあります。
そこでこの記事では、

contents

  1. そもそも「扶養内」とはどういうこと?
    • 「103万円の壁」は「150万円の壁」に!
    • 「130万円の壁」「106万円の壁」とは?
    • 「配偶者控除は本当に廃止される?
  2. 扶養内or扶養外、得をする働き方はどっち?
    • 「働き損」とは?損しない年収額や勤務時間は?
  3. 薬剤師は「扶養外」で働く方がメリットのある場合も!
    • 時給が高い薬剤師は扶養を外れても得をしやすい!
    • 社会保険は実は自分で入る方が安心でお得!
  4. 薬剤師の扶養内求人を探すには?
    • 扶養内求人は人気でなかなか見つからない...そんなときはどうすればいい?
    • 時給が高い派遣で効率よく稼ぎたい!扶養内でもOK?

といった、扶養内パートに関するすべての疑問について解説します。
特に薬剤師は時給などの条件面で他職種のパート勤務と大きく違いがありますので、気になることはしっかり解決した上で就職活動を行ないましょう!

そもそも「扶養内」とはどういうこと?

一言で「扶養内」と言っても、扶養には ・自分と配偶者の税金に対して控除が受けられる税制上の扶養
・健康保険料や年金などの控除が受けられる社会保険上の扶養
の2種類があります。
それぞれ免除される内容や適用となる収入額が違うので、まずはこの2種類の仕組みについて理解していきましょう。

税制上の控除が受けられる「103万円の壁」は「150万円の壁」へ

妻の年収が103万円以下の場合、妻の収入にかかる所得税が免除となり、夫の所得税も軽減されます。これが「配偶者控除」といわれる制度であり、税制上の扶養に当たるものです。この「103万円」というボーダーラインを超えなければ、夫婦ともに課税額を減らして手取り収入を増やすことができるので、「103万円の壁」とも呼ばれています。
ただし、妻が103万円以上の年収を得てもその額が141万円までであれば、「配偶者特別控除」が適用され段階的に税金が控除されるので、103万円を超えたからといって支払う所得税が急激に増えるわけではありません。

税制改正前の配偶者控除と配偶者特別控除の適用範囲

しかし、2018年1月の税制改正によって配偶者特別控除の適用範囲が拡大され、妻の年収が150万円以下かつ夫の年収が1,220万円以下であれば、夫の収入額によって決まった額の控除が受けられるようになりました。
妻の年収が150万円を超える場合も、201万円までであれば夫・妻双方の年収に応じて段階的に控除されます。夫の年収が1,220万円以上であれば、妻の年収額に関わらず控除は適用されません。
要するに、2017年までは妻の年収のみで控除額が決まっていましたが、2018年から夫の年収も配偶者控除の要件に加わったということになります。

税制改正後

税制改正後の配偶者控除と配偶者特別控除の適用範囲

配偶者控除と配偶者特別控除の仕組み

配偶者控除と配偶者特別控除の仕組み

ちなみに、
・妻の年収が103万円以下であれば、妻本人の所得税が免除
・妻の年収が100万円未満であれば、妻本人の住民税が免除
(※地域によって年収100万円以下でも住民税課税の場合あり)
という点は改正後も変更はありません。

・見直されている配偶者控除、廃止される可能性は?

この改正によりパート勤務の方が少しでも収入を多く得られる仕組みとなりましたが、夫の所得による控除額の制限が設けられたことは実質的に配偶者控除の縮小であるともいえます。女性が労働時間をあえて抑えることなく働けるよう、配偶者控除は引き続き見直しが行われる方向に動いていますので、いっそうの縮小・廃止の可能性もないとは言えません。パートで働きたい方は今後の制度改正には注意しておいてください。

社会保険料の控除が受けられる「130万円の壁」

もうひとつの社会保険上の扶養とは、妻の年収が130万円未満の場合、夫が加入している社会保険の被扶養者となり健康保険料や年金の支払いが免除される制度です。いわゆる「130万円の壁」と呼ばれるもので、妻の年収が130万円を超えると社会保険加入対象となり、健康保険料や厚生年金保険料を収入から支払わなければいけなくなります。そうなると保険料の負担で手取り収入が減ってしまい、扶養を外れて働いても手元に残る金額は扶養内で働いた場合の収入とほとんど変わらないという状況に...。
手取り収入を多くキープしたいのであれば、税制上の扶養よりこの「130万円の壁」についてしっかり考えておきましょう。

チェーンの大手ドラッグストアなら「106万円の壁」にも注意!

016年10月の法改正で「短時間労働者に対する社会保険の適用拡大」が施行され、年収が130万円に満たないパートの方でも以下の要件を満たす場合は、年収106万円以上で社会保険への加入が義務付けられました。 ・勤務先の従業員が501人以上
・1週間の所定労働時間が20時間以上
・1年以上継続して雇用される見込みがある
・月額賃金が88,000円以上
・学生ではない
社会保険加入となるのはこれらすべてに該当する方なので一見、当てはまる方は少ないようですが、全国チェーンのドラッグストアなどは対象となる可能性があります。

所得税と社会保険料の適用範囲

さらにこの制度は「106万円の壁」と呼ばれているものの、「月額88,000円以上の収入(交通費・残業代除く)」が要件なので「年収で106万円以内に抑える」という調整ができません。大手ドラッグストアでのパートを考えている方は、応募時に社会保険加入対象となるかどうかよく確認しましょう。

扶養内or扶養外、薬剤師が一番得をする働き方とは?

薬剤師は元々時給が高く設定されているので、ほかの職種と同じような日数・時間の感覚でパート勤務をするとすぐに年収額は扶養範囲を超えてしまいます。
しかし「少しでも多く稼ぎたいから」と安易に扶養を外れて働くと、扶養内で働いたときより手取りが少なくなり結果的に損をしてしまうのが「扶養」の落とし穴。
なぜそんな事態が起きてしまうのか、損をしないベストな働き方はどれなのか、実際に年収シミュレーションをしながら考えてみます。

扶養を外れたのに収入が減る?!「働き損」になる年収額

税制上の扶養に関しては、妻が103万円以上の年収を得たとしてもその額が150万円までであれば配偶者特別控除の適用で夫の所得税は段階的な控除となるので、突然税金の負担が大きくなるわけではなりません。
なので「103万円の壁」については、そこまで心配する必要はないでしょう。
しかし、妻の年収が130万円を超えて社会保険料の支払いが発生するようになると、「130万円以上の時間分働いても手取りは130万円以下」という逆転現象が起きてしまいます。これがいわゆる「働き損」。
では、実際に働き損となる収入額はいくらぐらいなのでしょうか?
例として、月収10万円の場合ですと
10万円×12ヵ月=年収120万円
となり、社会保険上の扶養となり保険料の支払いはありません。
しかし、月収11万円になると
11万円×12ヵ月=年収132万円
と年収130万円以上となるので社会保険料の負担が必要になります。
大阪府の平成31年度の保険料は
健康保険料5,604円+厚生年金保険料10,065円=計15,669円
(※平成31年度保険料額表より算出)
ですので、月収から保険料を引くと手取り額が
月収110,000円-社会保険料15,669円=94,331円
これを年収に計算し直すと
94,331円×12ヵ月=手取り年収113万1,972円
と、扶養を外れて多い時間働いたにも関わらず、手取り年収額が扶養内で働いたときより約68,000円も低くなってしまいます。 これが、扶養を外れたのに扶養内で働くより収入が少なくなってしまう「働き損」の現象です。地域や収入で保険料は違うのであくまで例ではありますが、この逆転現象が起こらなくなる年収額はだいたい150万円前後。思い切って扶養を外れて多く収入を得たい方は、年収150万円を目指すのがベストな働き方といえるでしょう。

働き損になりやすい年収額の範囲

薬剤師が損しない年収を得られるのは、どのくらいの勤務時間?

では、もし薬剤師が働き損にならないよう年収150万円以上を稼ぐのであれば、どのくらい働けばいいのでしょうか?薬剤師WORKERが扱っているパート求人の平均時給は2,000〜2,500円なので、ここでは時給2,000円として試算してみます。
時給2,000円で年収150万円を得るには、毎月の収入は12万5,000円
これを勤務時間に換算すると1ヵ月あたり62.5時間勤務で週あたり15〜16時間、だいたい1日4時間×週4日ほどのシフトで年収150万円を得られる計算となります。
「パートで年収150万円以上」と聞くと「かなり多く働かなければいけないのでは?」というイメージですが、計算してみると意外と無理のない範囲だと感じられたのではないでしょうか?

薬剤師が「扶養外」で働くメリット

「扶養を外れる」となると、どうしても「負担するお金が増えて収入が減る」とネガティヴな考えが先行しがちですが、薬剤師だからこそ扶養外で働く方が得をする場合もあります。

そもそもの時給が高いので、世帯収入を上げられる

先ほどもお話しした通り、薬剤師は少ない日数・短時間の勤務でも働き損にならない額の手取り収入を得られるので、扶養を外れて働くことで一気に世帯収入をアップさせることができます。
これは時給が高い薬剤師ならではのメリット。
家事・育児と両立しながらも家計に余裕を持たせられるので、扶養内にこだわらず「より多くの収入を得る」ことを目指すのもいいかもしれません。

社会保険料を支払うことで色々な給付や手当が受けられる

社会保険について「保険料は高い、払うのは損」というイメージを持たれがちですが、実際は自分の勤務先で健康保険や厚生年金に加入しておくことで、夫の「被扶養者」でいるより手厚い保障を受けることができます。その主な内容として、将来受給できる年金額が増える、思わぬケガや病気で働けなくなったときに傷病手当金が支給されるなどがありますが、中でも特に知っておいていただきたいのが出産手当金・出産育児一時金についてです。
これは、女性が出産で仕事を休むことになった場合に支払われ、出産にかかった費用を賄ったり産休・育休中の収入源として確保できるお金のこと。生活費の心配をすることなく育児に専念できるのは、かなり大きなメリットといえるでしょう。これから妊娠を考えている女性薬剤師の方は、この点も含めて社会保険に入るかどうかを検討していただきたいと思います。
また、介護保険へ加入しておくことで(※40歳以上の方は加入必須)万が一、要介護・要支援の状態になったときに少ない負担額で介護サービスを受けることができます。
「とにかくすぐに手取り収入を増やしたい」という状況でなければ、長いスパンで考えた上での安心できる働き方として「扶養外」を選択してみるのはいかがでしょうか?

薬剤師の扶養内求人はどうやって探すのが効率的?

夫の会社から家族手当(扶養手当・配偶者手当)が支給されている、収入よりも家事・育児、介護などの時間を優先したいといった理由で「やっぱり扶養で働きたい」という方もいらっしゃると思います。
しかし、薬剤師が扶養内で働こうとするとかなり勤務時間・日数が絞られることになるので、条件に合う求人がなかなか見つからない場合も...。
そんなときのために、ここからは薬剤師のパート求人の現状と、扶養内求人の探し方についてお教えします。

扶養内求人は人気!紹介会社の利用もおすすめ

薬剤師が社会保険上の扶養内で働くため年収を120万円ほどに抑える場合、時給2,000円として計算すると月あたりの勤務時間は50時間となります。これを週に換算すると12.5時間となるので、週3日×4時間もしくは週2日×6時間といったシフトになります。
しかし、薬剤師は女性が多いうえに、お子さんのお迎えに間に合う1日4〜6時間の勤務はママ薬剤師さんに非常に人気なので、実際のところ扶養内パートでの採用枠は激戦。
これが税法上の扶養内である年収103万円以内に収める場合だと、時給2,000円として月あたり40時間、週に10時間の勤務となるので週2日×5時間程度ともっと条件が絞られるので求人を探すのがますます難しくなってしまいます。
ただし、薬局側が応募の殺到を防ぐために「非公開求人」として人材紹介会社のアドバイザーからの紹介を通してのみパートを採用するというケースも。
「扶養内で働きたいけれど、なかなか求人が見つからない」という方は、ぜひ一度アドバイザーに相談してくださいね。

時給が高い派遣で働きたいけれど、扶養内でも働ける?

派遣だとパートより平均1,000円ほど高く時給が設定されているので、「派遣でもっと効率よく稼ぎたい」という場合、扶養の範囲を超えないように働ける求人はあるのでしょうか?
薬剤師WORKERのキャリアアドバイザーに聞いたところ、
「午前中のみ働きたいという方であればパートの求人をご紹介しますが、午後のみでも働ける方は派遣でも勤務先はお探しできます」との回答でした。
午後から3〜4時間ほどの勤務であれば午前中に家事を済ませてから仕事に行けますし、お子さんが帰る時間にも十分間に合うのではないかと思います。
扶養内を希望する方は、「午後のみの勤務で派遣」という働き方もぜひ視野に入れてお仕事を探してみてくださいね。

働き方で悩んだら...パート探しでもアドバイザーに相談を!

扶養内で働く・扶養を外れて働く、両方のメリットをお伝えしましたが、実際はご家庭の事情や何を優先したいかで「どちらが得か」は変わってきます。
自分ではどちらがいいのか分からないというときは、ぜひ一度キャリアアドバイザーにご相談ください。
「パートを探すくらいで紹介会社を利用するのも...」と遠慮してしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、まずはご相談だけでもOK。もちろん「自分でパート先を探していたけれど、希望条件で働ける場所がなかなか見つからない」という方もお待ちしております。
ご状況やご希望をしっかりお聞かせいただいた上で、あなたにぴったりの働き方や職場をご提案させていただきます!

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