1. 薬剤師WORKER トップ
  2. 薬剤師コラム
  3. 研修認定薬剤師資格の更新、その条件や手続きについてお教えします!

薬剤師コラム

etc.”研修認定薬剤師資格の更新、その条件や手続きについてお教えします!”

  • 共有:

超高齢化社会の昨今、薬局・薬剤師は機能と役割の変化が求められています。それに向けた施策のひとつが平成28年4月より開始した「かかりつけ薬剤師」の制度ですが、その要件には「認定薬剤師であること」が定められています。多くの薬局がかかりつけ薬剤師の配置に前向きであることから、この機会に認定薬剤師の資格を取得しようと考えている方、あるいはすでに認定薬剤師資格を取得し、かかりつけ薬剤師としての活動を目指している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、認定薬剤師資格は定期的な更新が必要な資格です。
この「更新制」は、何年かに一回ということもあり、「本当に資格を維持していけるだろうか?」
「更新に必要な勉強・業務・ライフイベントは両立できる?」
「更新のために今、何をしておけばいいんだろう?」
「更新のときってどこに何をすればいいんだろう。」
と疑問や不安を抱えている方も多いのではないかと思います。

この記事では、資格取得後にすべきことや申請の手順、資格を失ってしまうケースなど、認定薬剤師資格の更新について解説します。

認定薬剤師が「更新制」とされる理由

薬剤師免許自体は、一度取得すると更新は必要ありません。しかし、医療や薬品の研究は日々進歩していくので、本来、薬剤師は免許を取得したあとも常に医学・薬学について学んでいなければいけません。そのため、最新の医薬品知識や高い実務スキルを継続的に身に付けられる仕組みとして、認定薬剤師は「更新制」とされています。端的に言うと、「薬剤師が知識・技能を絶えず向上させるため」の制度となります。

認定薬剤師資格を更新するには何をすればいい?

取得者が一番多い「研修認定薬剤師」

現在、28の団体が認定薬剤師制度を立ち上げており、団体ごとに認定薬剤師の種類が異なります。その数は35種類にのぼり、それぞれ取得・更新の要件も違っています。今回はその中でも、日本薬剤師研修センターが認定を行っている「研修認定薬剤師」を例にあげ、更新手続きについてお話ししていきます。「研修認定薬剤師」は薬学全般の知識や質の高い技能を修得できる資格として、2018年6月時点で新規認定者71,027名、更新認定者31,048名ともっとも取得者の多い認定薬剤師資格です。

・3年間の更新期間にやるべき「単位取得」

研修認定薬剤師の更新要件は、
更新は3年ごと、その期間中に30単位以上を取得すること
ただし、毎年5単位以上の取得が必須
と定められています。
これは要するに、3年間に30単位以上といっても 「最初の1年ですべて取得したので残りの2年は何もしない」「忙しくて4単位以上しか取得できない年があった」などの場合は更新が認められないということになります。
更新が認められなければ、また「新規申請」として最初から取得し直すことになってしまいますので、年に5単位は取得できるよう研修予定を調整してください。

・必要な単位の種類と数は決められている

研修にはさまざまな形があり、その形ごとに取得単位として申請できる数が決められています。

集合研修 研修センターや各団体・機関などが主催する研修会です。会場へ出向いて参加するもの以外にも、ビデオやインターネットなどを通して実施されるものがあります。集合研修は取得単位数に制限はありません。
グループ研修 薬局内の勉強会や製薬会社による新薬説明会など、集合研修や実習に当たらないが複数人で実施される研修会を指します。1認定期間(3年間)に5単位までの取得と定められています。
通信講座研修 主に大学などが行っている通信講座を指し、1認定期間に15単位まで取得できます。しかし、事前に研修センターへ届け出され受理されたもののみが対象となります。
自己研修・実習研修 個人で書籍・雑誌・テレビ・ビデオ・インターネットなどの視聴覚機を活用し、医学・薬学分野の学習を行った場合、4時間につき1単位が認定されます。最低限必要な実務能力や薬剤師業務と異なる資格に関する学習などは認定されませんので、教材の選択には注意してください。実習研修は医薬品試験や薬局製剤・工場見学・薬用植物園見学などを指しています。両方とも年間5単位までと決められています。
・申請するときに必要な3つのもの

上記の要件を満たしていることが確認できたら、日本薬剤師研修センターの情報を元に以下の必要なものを揃えましょう。

研修手帳 研修に参加すると受講の証明となるシールが配布されますので、それを受け取り研修手帳に貼り付け、内容を記録しておきます。自己研修の場合は受講単位請求書に必要事項を記載して日本薬剤師研修センター宛に送付し、承認されると受講シールを受け取ることができます。
申請書類 別途更新申請書類がありますので、そこにも取得単位数と必要事項を記載しておきます。
申請料の受領証 更新申請料10,286円を振り込み、受領証の写しを用意します。

以上の3点を都道府県薬剤師研修協議会宛に提出することで、研修認定薬剤師の更新申請は完了です。混雑している場合を除けば、約2カ月ほどで審査結果が届きます。

更新ができない場合・資格取り消しについて

更新申請の時期はそれぞれ違う!

「研修認定薬剤師の更新申請はいつ頃すればいいの?」と気になっている方もおられると思いますが、認定薬剤師証には有効期限が記載されており、その期限によって更新認定申請の受付期間が決められています。ですので、更新の時期は人によって違います。決められている期間を過ぎてからはもちろんですが、期間前であっても申請は受け付けられないので注意してください。
有効期限日の2カ月前には更新通知と申請様式が郵送で送られてきますので、内容をよく確認して申請準備に入りましょう。

更新が間に合わなかった!忘れていた!そんなときは...

自己研修の場合、受講単位請求書を送ってからシールを受け取るまで最短でも1カ月はかかります。自己研修で単位を取得するときは、申請直前の受講にならないようにスケジュールを組んでください。
「更新認定申請期間中に手続きや単位取得が間に合わなかった」「申請を忘れていた」という場合は研修認定薬剤師資格は失効となり、「新規認定」として取得し直さなければいけません。
ご自身の資格の有効期限と更新認定申請期間はしっかり頭に入れたうえで単位を取得しましょう。

シールや手帳をなくした!研修参加は証明してもらえる?

「研修へ行ったときに受講シールを受け取るのを忘れた」「受け取ったけれど紛失した」という場合、受講シールは「再発行不可」となります。また、研修手帳を紛失した場合、団体側で研修記録の証明をしてもらうことはできません。(明確に証明できるものがある場合を除く)
もう一度単位を取得し直すことになり、それで要件を満たせなければ「新規申請」となってしまいますので、受講シールと研修手帳の取り扱いには常に気を配っておきましょう。
ちなみに認定薬剤師証自体を紛失・汚損した際は、有料にて再交付してもらうことができます。

妊娠・病気などで研修を受けられなかった...そんなときは延長申請を!

もし、やむを得ない事情で単位を取得できなかったときは、研修認定薬剤師の場合、原則1年間を上限として認定期間を延長することができます。この「やむを得ない事情」は主に
・妊娠、出産・育児
・病気
・介護、看護
・海外赴任(この場合は1年以上の延長可)
を指しますが、これら以外の事由がある場合は個別に相談することも可能です。しかし、転居・業務多忙・転職などは事由として認められません。
また、資格の種類や団体によって延長期間の違いや「延長ではなく認定保留」とするなど条件が違いますので、ほかの種類の認定薬剤師資格をお持ちの方は改めて確認をしてみてください。

犯罪や不正行為は「取り消し」処分!

認定薬剤師資格を失う場合として、下記に該当した方は「喪失」または「取り消し」となります。

資格喪失となる場合 ・認定薬剤師資格そのものを辞退した場合
・更新を行わなかった場合
・資格所持者本人が死亡した場合
・認定を行っている学会から退会した場合(※認定薬剤師資格の種類によって)
資格の取り消しとなる場合 ・薬剤師の資格を失った者
・薬事に関し、犯罪または不正行為を行った者
・提出書類において偽造・変造その他の不正な行為を行った者
・上記のほか薬剤師として不正な行為があったと判断された者

「取り消し」に当たるものはいずれも「薬剤師の品位・信用を失墜させる行為・違法行為」であり、内容によっては行政処分の対象となったり、薬剤師免許自体も取り消される可能性があります。
特に更新申請において、単位取得が大変だからと書類内容をごまかしたり、受講シールを不正に入手したりすると「提出書類において偽造・変造その他の不正な行為」に該当してしまいますので、そのような行為は絶対に行わないようにしましょう。

まとめ

研修認定薬剤師の更新は3年ごと、研修を受けて年に最低5単位以上、3年で30単位以上の取得が必要
更新時期は研修認定薬剤師証の有効期限を確認
当該薬局に12カ月以上在籍している
妊娠・出産・病気・介護などのときは1年間の期間延長ができる
違法・不正行為は資格取り消し!

認定薬剤師資格は、いわば「薬剤師がスキルを高めるために行う、継続的な自己研鑽への評価」です。絶え間なく学び続けることで更新を続けていくので、資格を維持することは決してい容易だとはいえません。
しかし、社会の超高齢化に伴って医療・福祉も変革が求められるこれからの時代に、専門性の高い薬剤師は必ず必要とされます。認定薬剤師資格を取得した方々にとっても、きっと大きなやりがいや自信に繋がっていきますので、ぜひ前向きな気持ちで更新に取り組んでいただきたいと思います。

  • 共有:
コラム一覧に戻る